テキストサイズ

ひと夏のアバンチュール

第9章 本当の私たち

「どうして?感謝してるわ」

黙りこんでしまうライアン

彼の瞳は
私を見ようとはしない

「ライアン?なぜ何も言わないの?」

彼の傍に行き肩を掴んだ



見てしまった





ライアンの瞳から

大粒の涙が

溢れていた



涙を流しながら笑顔で私を見つめる



そして強く抱きしめられた

「愛してるよ彩華、愛してる」

「何て言ったらいいのか・・・」

「何も言わなくていい、
だから暫くこのままで居させてほしい」

「ライアン・・・ 今だけ貴方を想うわ」

「ありがとう、それだけで十分だよ」


きっと私もライアンを・・・・・・

でも口にしてしまうと



私が私で居られなくなる


だから


今だけ

この瞬間だけ貴方に恋をするの

ストーリーメニュー

TOPTOPへ