大渕芹奈
第1章 仲直り
「好きな人とかいるの?」
ちょっとびっくりした。
【…。】
当時は自分でもよくわからなかった。
佳貴とも悠哉ともよく一緒にいたけど、好きっていうのとはまた違うような気がしたから。
「えー教えてよ」
【やーだ】
そんなことを話ながら寝ちゃったような気がする。
次の日は期末試験の前日だった。
「勉強したー?」
【当たり前でしょw】
「嘘ー?俺全然してないんだけど」
【らしくていいんじゃないの?0点とかも似合うよ】
急に、すぐ帰ってきた返信がこなくなった。
私は0点が似合うって言ったことを怒ったんだな、って思ってまたメールした。
【ごめん!!冗談のつもりだったのに】