自殺旅行
第10章 後日談
リストラされたサラリーマンよろしく神社で時間を潰す日々。
神主と地味に仲良くなっていく日々。
穴ぐら近くの図書館で暇を潰す日々。身分証がないから本を借りる事も出来ないなんて・・・・・・。
穴ぐらに戻り顔を洗い、寝る。テレビ? そんな贅沢なものはありません! 世間が今どうなっているのかとかも、知りません。興味もございませんし★
漸く住民票の転出届けも無事に某区役所から郵送されてきました。それを持って市役所に行きついでに新たな住基カードをその場で頼む。
「はい。では何か身分証を・・・・・・」
おいっっっ!!! マジか?! マジなのか?!?!?! 今! たった今! 同じ人に住民票を!!! 転入届けを!!!
・・・・・・・・ダメみたいです☆ 身分証を作るために身分証をって・・・・・・。いったい全体何のトラップかしら? これはいったい何の『とんち』かしら?
一休さんが必要ですか? 屏風の虎を捕まえる為に屏風から虎を出せ的な? ・・・・・・・・うん・・・・・・ちょっと違うね。
「あの・・・・・・身分証・・・・・・無いのですけど・・・・・・」
「あ、保険証とか年金手帳でもいいですよ」
「はい・・・・・・無いんです・・・・・・」
市役所の中で叫んじゃおっかな~・・・・・・なんて☆
「わたくし! こちらの県に! 自殺旅行で来ましたので! 身分証とかないのでございます! 全部! 処分して参りました!!!」
ってね? 叫んじゃおっかな~~~・・・・・・みたいな★
市役所の入口には『今月は自殺防止強化月間』と書いてある旗が何本もはためいていらっしゃいます♪
ここでも生保受給証明書でなんとか・・・・・・。
「では仮名さんの場合ですが・・・・・・今ここで発行とはいきませんので・・・・・・少々お時間の掛かる方法を取らせて頂きますが、宜しいでしょうか?」
「はい・・・・・・すみません。お願いします」
で、ここでも郵送にて~・・・・・・って。
まだまだ時間が掛かります。郵便待ちだけで一ヶ月って・・・・・・・。
携帯契約は来月に持ち越し・・・・・・なげーーーよ・・・・・・。
旅費の為の職探しも出来ないし!