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天海有紀編

第1章 1

有紀は、目が覚めた。まただ。吉野作造の夢を見たのだ。それも、今回は、かなり過激なものだった。前回は、プラトニックな感じで、それでも、吉野作造がでてきたこと自体に驚いていたのだが、今回は、それが、肉欲化していることに驚いたのだ。まるで、自分のこころの変化が夢に現れてきているかのようだ。それとも、吉野作造が、自分をあるべきところへ導いてくれているんだろうか。そうすらも考えてしまった。自分のあそこがうっすら濡れているのも恥ずかしいとは思わなかった。時間は、10時だった。昨日朝まで、悩んでいたのだからしょうがないと思った。しかし、体が、きついと感じた。それも、今までにないぐらいのきつさだった。もしかして、更年期の症状が悪化したのかしらと思った。それとも、作造が、私の何かを吸い取ってる、そんなことも考えたが、しかし、それは現実にはありえないだろう。それなら、やはり、更年期障害の可能性の方が高いと有紀は思った。それに、作造は、有紀の何かを揺り動かしているのだ。自分が生まれ変わるという予感もあった。閉経がどうとかこうとかよりも、もう作造を手放したくない気分なのだ。しかし、それでも、閉経と考えると、気がやはり滅入ってしまった。

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