
鳴宮くんは悪い子‼
第8章 陸と鳴宮と眼鏡くん
屋上には相変わらず生温い風が吹いてて、じんわり汗が滲む。
陸は無表情で私の前を行き、屋上の手すりまで行くと止まって振り返った。
「…今朝のことだけど」
陸はそう切り出して、いきなり本題に入った。
「鳴宮の事なら心配しないで!!変態でちょっと強引な所あるけど、超ヤバいって感じではないし…」
って、なんでこんなにあいつのこと弁解してんだろ、あたし。
それでも陸は引き下がらず、
「何年お前を見てんだよ。心配で仕方ねぇんだよ」
ふてくされてそう言う陸の目線が、チラリと私の後ろへ変わる。
「…」
?
私も振り返ってみる。
「…っあ!!」
私の後ろには、怠そうに立つ昨日の眼鏡が!!
