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向かいのお兄さん

第10章 利益、これ



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マンションに着くと、直也の部屋のインターホンを押す



「いらっしゃい」



開いた扉から直也が顔を出し、あたしは中へ入った



「どうぞ」



今日は珍しく、麦茶を出してくれた


透明のグラスに入った液体は、机に置かれると前後に揺れる



『ありがと…』



それを一口飲んでいる間に、直也はあたしの隣に座った




「…」



『…』



じーっと見られる


何となく、その視線が痛い





『…何?』




「キスしたい」




どうせ、しなきゃ脅すんでしょ…



あたしはグラスを置いて、直也の方に向き直ろうとした


しかしその前に

「でも今はいいや」

と断られてしまった




『あ…そ』



せっかくのあたしの行為をお前は~










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