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向かいのお兄さん

第15章 玄関先の





用事を済ませ、あたしは道を引き返した



家の前までくると、隣からガチャンガチャンと鉄筋のぶつかり合うような音がする




『…』




何となくそっちへ目をやると、こんな暑い日にも関わらず、
佐藤造花店の皆は汗水垂らしてせっせと仕事をしている



車に、パイプを積み込むのだ



長い長い



あたしなら一本でも持てないかもしれない荷物を


ここの人は何本も一気に運んでいく





『…』




いつまで眺めてんだろ、あたし…



でも、一生懸命働く人ってカッコイイよね





なんて考えていると、直也の姿が目に映った




タオルを首にかけて、着ているTシャツは汗でびっしょりだった




トラックに鉄パイプを積み込み、直也はフゥッと肩で息を吐く




『…』




人並みには、頑張ってるんだな












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