向かいのお兄さん
第15章 玄関先の
すると、直也はあたしが見ていたことに気づいた
あたしは見てない振りをしようか迷ったけれど
直也のニヤッと笑った顔が見えてしまった
きょ・う・お・れ・ん・ち・来・い
ゆっくり大きく口を開き、あたしにそう伝えた
『やだ』
あたしは小さく呟きながら、ブンブンと首を横に振った
い・い・の?
『…』
な・が・す・よ?
『行けばいいんでしょ馬鹿ぁああああ!!!!』
近所迷惑間違いなし
あたしは大声で叫び、勢いよく家に駆け込んだ
「…美咲ちゃん、どうしたの?」
「さあなー」
和樹が不思議そうに尋ねたが、直也はそう返しただけだった