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向かいのお兄さん

第16章 合コンなんて





『ぅぇえんっ…ぅっく…んぁあああん…』





目をつむると、月も見えなくなった



星はあたしの顔を伝って


顎からポタポタ落ちたり



口に入ると、苦しかった








あたしは何を求めているのかな?



直也の言いなりにならなくていいと思えば

嬉しいのに




泣いちゃってさ




わけ、わかんないや…





『ぅぁあぁん、あ…ひっく…ぁああん…』






あたしは




直也の




おもちゃだもの





出来の悪いおもちゃだもの






女の子とすら見てもらえない、捻くれた、おもちゃだもの





わかってるよ




だからあたしは


泣かないで、喜んで、あんな酷い持ち主とは



手を振らなきゃダメなのに…















ドンッと、もたれていたはずの背中を押された





ゆっくり顔だけ向けてみると、不思議そうな表情を作った顔が

あたしを見下ろしていた










「…何してんだよ?」














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