向かいのお兄さん
第20章 あたしもね
「美咲…大丈夫よ」
お母さんは、あたしの手を取った
「今まで頑張ってきたこと、全部出せばいいだけだから…」
『…』
返事すら
出来なかった
―――――――――――
体中が、痛いほど寒い
『…』
あたしは時計を確認したが、それと一緒に
外の世界が白いことに気がついた
『え…』
驚いて飛び起き、窓を開けた
雪が
積もっていた
嬉しい…はずがない
もしこの雪のせいで電車が止まれば…
あたしは終わってしまう
あたしはもう一度時計を確認し、目を疑った
『6時…』
寝坊した