向かいのお兄さん
第24章 今この時間
「ちょっちょちょちょちょ!!」
直也の部屋の前まで来ると、直也は足を止めた
あたしは直也に不機嫌な顔を見せる
『何?』
「"何"はこっちの台詞だし。どこなのここ?」
『あんたの家』
直也は口をぽっかり開けた
まだそんなことを言っているのか…と呆れたような顔だ
「だから、俺の家は…」
『そっちも直也の家だろうけど、ここだってそうなんだよ!!』
「…」
唇が震える
今にも泣き出してしまいそうなあたしを見て
直也はため息をついた
「…はいはい」
あたしの肩をポンポンと叩き、部屋の鍵を開けるよう促した
『…』
何か…
この部屋にあれば…
もしかしたら直也は…