向かいのお兄さん
第30章 ふたりの関係
『ただいま…ってかたったの4、5日なんだけど…』
「いやぁ、俺は土産を待ってたから」
『和樹は食うな』
「まあまあ、美咲ちゃんを待ってた寂しがり屋さんもいることだし…」
「だれが寂しがり屋だ」
その瞬間、あたしの体がフワッと浮いた
そのまま横抱きにされ、ギュウッと圧迫される
『ばっ…バカ離せバカ…!!///』
「嬉しいくせに。
このままベッド行く?」
『離せぇええ!!///』
空中でジタバタとするあたしの頬に、直也は軽くキスをした
「いやぁん、お前ら昼間から見せつけてくれちゃって♪」
和樹はあらやだと手をペイッと動かす
『こいつ何とかしてよぉお!!』
「美咲が何かしてほしいんだろ?」
『違うわい!!』
あたしを抱いたままグルングルンと回る直也
「神崎君、仕事中だし
いい加減に」
と、おじさんがやっと止めてくれた
「ちぇ」
直也は回るのをやめた
あたしは目が回ったまま地上に下ろされ
嫌でも直也にしがみついてしまった
「佐藤さん、ダメッす。
こいつ俺を放しません」
『目が回ってんのー!!』
ムキになるあたしを直也はクスッと笑い
あたしは手を引かれて直也の肩に埋もれた