向かいのお兄さん
第5章 日曜日にまた
《そんでテストって、来週から?》
『うん、月曜から』
あたしはメモ帳に書き留めておいたスケジュールに目を通した
しっかり月曜から木曜まで、テストで埋まっている
《わかった、そんじゃ日曜の10時くらいに、家の前で待っといて》
『…うん』
《じゃあな》
最後にそう聞こえ、電話はあっさりと切られた
『…あたしったら…』
またしてもあいつの言いなりじゃん…
それからしばらくし
来たる日曜日…―――――
あたしは腕時計で時間を確認した
10時ジャスト
そろそろ直也が来る頃だろうと思い
地面に下ろしておいた鞄を肩に提げた
『あ…』
ふと前を見ると、少し遠くからこっちへ歩いてくる直也の姿が見えた