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「美咲ちゃんって誰だっけ？」

「ああ、あの子だよ」




腕を引っ張られ、部屋の中央まで連れて来られる



目の前には、寺内という男の先輩



ふたりとも、その顔は真っ赤だった




「はい、ポッキーくわえてーっ」




横から持ってこられたポッキーを、寺内さんは苦笑しながらくわえた



「まあ、仕方ないよね」



と、朗らかな笑顔を向けてくれるもんだから

あたしも参加しないわけにはいかない




『そぅ…ですね』





あたしはチョコレートの方を、軽く唇で挟んだ





「じゃあ、どうぞーっ」




部長の脳天気な声で、寺内さんはポリッと一口顔を近づけた



あたしも動かないわけにはいかないと思い

少しずつ食べ進める





じわじわと近づく距離





もう、本当に目と鼻の先だ








唇が


触れ合いそうになる












『や…っぱ無理!!///』







あたしは真っ赤な顔を

寺内さんから遠ざけた





途端に、落胆の声が周りから発せられた