向かいのお兄さん
第8章 騙された
ちゅ…
そっと唇に、柔らかい感触
『あ…///』
ゆっくりと顔を離し、少しほほ笑みながら
直也はあたしと目を合わせる
『ぁ…たしの…ファーストキ…』
言いかけたところで
また唇を塞がれた
『っ…///』
ただ塞がれただけでなく、直也は舌先をチロチロと出しながら
あたしの唇と唇の隙間を突いた
早く開けろ
そしたら
もっと底へ沈めてやるから
そんな誘いをかける直也の舌に
あたしの唇は応えてしまった
『ふ…///』
閉ざしていた唇を薄く開くと、ヌルリとしたものが口内に進入してきた
それはまずあたしの唇の裏を、綺麗に掃除していくかのように舐めていった
きもち…わるいよ…
『っ…っ///』
あたしは直也から顔を逸らそうとしたけれど
直也の左手はあたしの両手首を掴み
右手はあたしの顔をしっかり固定していたので
どうすることもできなかった