向かいのお兄さん
第2章 向かいのお兄さん
『消せ!!今すぐ消せ!!』
あたしは、それはもう死に物狂いでその携帯を取り上げようとしたけれど
携帯は全然あたしの手に届かない
「あー、年上に向かって命令口調、ダメな子だなぁ」
『知るかぁあ!!』
鬼畜は空高く、携帯を持ち上げる
あたしは鬼畜の体をよじ登るようにして、それに手を伸ばした
あと10cmあれば届くのにぃいぃい!!!
とその瞬間
携帯を持っていた腕はいきなりおろされた
『え』
その手の行く先を追おうとしたが
その前にギュッと抱きしめられた
『は…?///』
大きな体での抱擁に、胸の辺りから一気にほてっていく
『やっ…離し…///』
「ん、いい尻してんだね」
と言いながらあたしはお尻を揉まれた
『ジジイかぁあああ!!!』
あたしが暴れると、鬼畜はパッと手を離した
あたしはすかさず5mの間隔を空ける