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第5章 消毒



「そんな顔しないで…僕もう泣かないから。ごめんなさい。えーと…」

名前を知らなかった事に今さらながら気がつく


「如月虎優(きさらぎこう)だ。お前は?」



「……………あ。あの。えと。」



僕に名前はない



飼い主が好きな名前で呼ばれていた


でもその名前を使う気がしない


考えてしどろもどろしていると


「ないのか………いく宛は?」

ないと答えた

「ここに住めばいい。野良」

この言葉から僕の居場所と名前が決まった

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