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澪―みお―

第1章 ワタシという入れ物

きっとワタシは、死んでいる。
だからお腹も空かない。
喉も渇かない。
眠くもならない。
楽しいとかそういったこともない。
無に近いのだと思う。

なのに、こんなにも考えるようになってしまっている。
あの葛原とかいう老人のせいだ。
葛原の孫娘はワタシなのか…。
記憶なんてない。
知りたいと思ってしまう。
でもワタシは恐らくここを動けないのだ。

孫娘がワタシならば、何故海ではなくこんな所に座っているのだろうか。
思い出したくても、引き出すモノがないかのように思い出せない。

苦しい 苦しい

この感情は一体なんだというのだろう。

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