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放課後は図書室で

第9章 悲しみと喜びと…

その後すぐに、保健の先生が来てくれた。

先輩と莉沙たちを廊下に残して、秋野先生に連れられて私は保健室に入った。


保健の先生も、秋野先生も優しくて、何があったか追求することもなく、ただ、怪我がないかを確認してくれた。


地面に倒れこんだ時にできたらしい膝の小さな擦り傷を消毒してもらっただけで、その他は頬が少し腫れているのと、腕を掴まれた痕が少し赤くなっているだけだった。

保健の先生は頬をタオルで冷やしながら、腕の痕は痣になってしまうかも、と言っていた。


身体にあまり傷がなかったけど、あんなに痛くて仕方がなかったのは、それ以上に心が痛かったからかも…。


私は他人事のようにそんなことを考えながら、手当てをしてもらった。

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