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放課後は図書室で

第11章 出口の見えないトンネル

冷たく冷やしたタオルを顔に乗せ、熱いお風呂にしばらく浸かると、身体の中から温まった。


心のど真ん中に居座っている、大きな悲しみはどこにも行かなかったけど…。

それでも少し気分が良くなった。


お風呂上り、鏡を見ると目元の腫れは引いていて、少し安心した。


遅くなるなら連絡くらい入れなさいと怒るお母さんを適当にあしらいながら、温め直してもらった夕ご飯を急いで食べ、さっさと自室に引きこもった。


そして、鞄の中から、四つ折のレポート用紙を取り出す。



そっと開くと、きれいな字でメールアドレスと電話番号が書かれていた。

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