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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

私が手を握り返したのに気付いてか、突然先輩はそう言うと、笑顔を見せた。


端から見るとまるで恋人同士のように見えるはず。

それをわかった上で、しかも「デート」と言うなんて。

…いったい先輩はどんなつもりで言っているんだろう?


何も返事ができないまま、ただ先輩の真意を考えながら先輩を見た。

でも先輩は笑顔のままで、本心がわからない。


何のために、たった数回話したことがあるだけの私にこんな風に接するんだろう?

そもそも、なんで私なんだろう?
周りにはあんなにたくさんの取り巻きのファンがいて、もっと可愛い子もたくさんいるのに。


先輩は、私の心を鷲掴みにしただけじゃなく、完全に惑わせていた。

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