無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「部活サボったからかなり早いし、この前も思ったより早く着いてね。だから気にしないでいいよ。
それから。…これは、もう少し一緒にいられるようにするための口実なんだから、断っちゃダメだよ。」


先輩は笑顔でそう言うと、スマートに私の手を取った。


私の気持ちが読まれているように、先輩は笑顔でさらっとこんなカッコいいことを決める。

まるでゲームをするように、ただ遊ばれているんじゃないかと考えてしまうほど、先輩は私の心を踊らせる。

それでも、純粋に、先輩とあと少し一緒にいられるのが嬉しかった。


もう少し一緒にいたいとか、そんなことは言えないけど、この瞬間が嬉しかったから、ほんの少しだけ、先輩の手を握り返した。


「成瀬さんがこうして歩くのが嫌じゃなかったら、デートではこうして歩けるところがいいね。」