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放課後は図書室で

第13章 ドキドキのお出かけ

「あとはね、俺がいつも側にいられる訳じゃないから、こうして俺の代わりに守っていてくれたらいいなって。」


先輩は言いながら私を抱き寄せた。


「これを着けてる時には、こうして俺に守られてるって思って欲しくて。」


先輩は私を抱き締めたまま、耳元で囁いた。


先輩が、…守ってくれる?


ちらっと先輩を見ると、先輩は優しく笑っていた。

私は先輩に抱き締められたドキドキと、守ってくれると言われたドキドキが重なって、顔が熱くなり、心臓も口から飛び出そうなくらい暴れていた。


「これ、着けてくれる?」


先輩は追い討ちをかけるように耳元で囁いて、抱き締める腕を少しだけ強めた。


好きな人に、こんな風にされたら、私はただ頷くことしかできなかった。

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