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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

「でも、せっかくだから。」


先輩は悪戯っぽく笑うと、さっき私の唇に触れた指を自分の唇にそっとつけた。


「俺は、貰っちゃった。」


先輩はおどけて言うと、いきなり私を抱き締めた。

顔が熱くなって、ドキドキが止まらなくて…。


どうしていいかわからなかったけど、でも、なんだかとても嬉しかった。


「こんなことしてると、せっかくの景色を見逃しちゃうね。
ほら、こっちも綺麗だよ。」


先輩は優しくそう言うと、私の身体を起こして後ろを振り向いた。

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