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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

「そんなことだろうと思ってた。ごめんね、気を使わせちゃったね。…でも、言ってくれたらよかったのに。メールもあるんだから…。」


先輩は優しく言うと、私の頭を撫でた。

頭のてっぺんから先輩の優しさが伝わってきて、一気に顔が熱くなった。


「心配掛けたくなくて…。ごめんなさい…。」


「謝らないでって。でも、今度はちゃんと言って欲しいな。…心配になっちゃうから。ね?」


俯いたまま、ドキドキしながら言う私に、どこまでも先輩は優しかった。


「白々しくなっちゃうかなって思って…。あの…、今度はちゃんと、言います。」


「それもそうだね…。俺も焦っちゃうくらい…自然だったかも。」

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