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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

示し合わせたような白々しさがあるよりいいかと思ったけど…、やっぱり先輩に悪いことをしちゃったかな…。

笑いながら言う先輩の優しさに触れて、また胸がズキンと痛んだ。


俯く私の頭を、先輩はまた優しく撫でた。


「ごめんごめん。…気を使わせちゃって悪かったよ。」


そっと言う先輩に、私は俯いたまま首を振った。


「でもね、今度はちゃんと言ってね。俺も…寂しくなっちゃうから。」


先輩は優しく、でも明るく楽しそうな調子で笑って言った。

それはまるで、私を責めずに、でももっと連絡して欲しいと言っているようだった。

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