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放課後は図書室で

第5章 閉館後の図書室

「…俺が毎日ここにいられたら、それはそれで注意しやすいのかもしれませんが…。」


「でも、部活は今が一番大事な季節でしょ?
斉藤君が毎日ここに来るなんて言ったら、サッカー部のみんなや監督から何を言われるかわかんないわ。」


困り顔の斉藤先輩に秋野先生が笑って言った。


「そんなことはないんですが…。本当にすみません。」


「あらやだ、謝らないでって言ってるじゃない。斉藤君が悪いんじゃないんだから。」


先生と先輩は、そんな会話を続けていた。


ふと、昨日までの図書室が戻ってこないような気がして、また悲しくなってしまったけど、泣くまいと涙だけは堪えた。

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