テキストサイズ

放課後は図書室で

第6章 暗くなった帰り道

「普段は、成瀬さんはおとなしいんだね。友達といてもあまり喋らない方?」


また電車が走り出すと、先輩は私に聞いた。
紗耶香がいなくなった分、先輩との距離が近づいて、急にドキドキが止まらなくなった。


「紗耶香達といるときはそうでもないんですけど…。
あまり男の人と話すのに慣れてなくて、ごめんなさい…。」


恥ずかしくなって、さらに顔が赤くなっていないか気になってしまって、私は俯いた。


「謝ることないよ。
てっきり、今日の騒ぎで、俺、嫌われたのかと思ったよ。」


「そんなこと、ないです!」


先輩は楽しそうな調子でそんな事を言うので、私はびっくりして顔を上げた。

先輩は背が高くて、少し私が顔を上げないと先輩が見えなかった。

けど、顔を上げると先輩と目が合って、またドキッとした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ