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放課後は図書室で

第6章 暗くなった帰り道

「やっと顔を上げてくれたね。1日にして成瀬さんに嫌われちゃったかと思ったけど、そうでもなさそうで良かった。」


先輩は、少し混み合う電車の中なのに、恥ずかしがりもせずにそんな言葉を私に囁いた。

私は緊張しきってどうしようもない状態なのに、先輩と目が合ったまま捕らえられて目が離せなかった。


「…ね、大丈夫?」


固まって何も話さない私を心配したのか、先輩の笑顔が心配そうな顔つきに変わった。


「…あっ、あの、ごめんなさい。
あの、…あんなにたくさんのファンがいる先輩が、…私となんか話していいのかなって…。ホントにすみません。」


って、私、慌てて何言ってるんだろう…。

一気に恥ずかしくなって、顔が熱くなって、目線を下げた。


目の前には先輩の胸があって、緊張しながら先輩の制服のネクタイを見つめた。

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