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放課後は図書室で

第6章 暗くなった帰り道

外はもう肌寒くなっていたのに、私はまだ先輩といた余韻が残っていて、顔が火照ったままだった。

先輩は私にもとても優しくて、電車の中だったので声を落として喋るその声がとても甘くて、思い出すだけでも胸がドキドキした。


先輩にはたくさんのファンがいるけど、それだけモテる理由がなんとなくわかった気がした。


と同時に、今日はたまたま遅くなったので優しくしてもらっただけだと、高鳴る気持ちを抑えようとした。


今日の図書室でのことを思い出すと、先輩とはあまり深く関わらない方がいいような気もして…。


でも、今日だけは、ちょっとしたこのドキドキ感を嬉しく感じながら帰ることにした。

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