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足跡

第9章 春風はまだ……

この場に来たら
決まってアイスクリームを買うのが二人の習慣…


ケンカしても
最後はアイスクリームを食べて仲直りして帰る〜

これが昔からの癖だった

ただ
いつもと
違うのはアイスクリームを2つ頼んだ事…


なんか
空白の年月を感じる



食べ終わりに差し掛かり
彼はカバンから小さな袋を渡した

袋の中身を覗こうとする手の上に彼の手が覆い被さり…


『これは
俺が綾香の為だけに
買ったもの…


綾香は返してきたけど
誰かに渡そうなんて
考えた事はないから


この先
いらなくなったとしても
綾香が処分して欲しい。』



それは
私が彼に返した
婚約指輪だった





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