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足跡

第9章 春風はまだ……

『それから……

これは、
淋しい想いをさせたし、
沢山心配をさせた

お詫び……』




それは
私の好きなメーカーの時計だった



彼と付き合ってすぐに
専門学校の入学祝で
彼からプレゼントされた
時計のモデル違い。。



あの頃は
毎日が輝いていたよな〜



彼は
外の景色に視線をずらした


『俺…
こっちで就職先みつけよう
として、

探したけどダメで……


職業訓練校に行ったんだ




凄く厳しくて、、
でも
なんとか
1年無事に卒業した



それから
又就職先を探したけど


結局ダメだった




本当ダメな男で

ごめんな……



そうこうしていたらさ

オヤジが
具合悪くなっちまって
今、結構危ないみたいでさ
あんな
嫌いなオヤジでも

最後ぐらい親孝行してやんなきゃなと最近思って


神奈川を離れ茨城に


戻ろうと思う



ついて来ても就職先も
まだないし……






いつか…さ

先なんて
全然わからないけどさ




綾香が遊びに来たらさ

小さな家を建てて

自慢出来る
くらいになっているから……

ちょっと遠いけど


あっちに遊びにきてや。』




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