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足跡

第9章 春風はまだ……

数時間だけど
彼と居られて
本当、平和で幸せな
時間だった


ずーっと
なんのしがらみもなく
隣に座っていたかった




彼と別れて

なんかちょっと
迎えにきてくれたの?って
期待をしていた分

逆に
悲しいお知らせを聞いて



淋しかった


どうしようもなく
寂しかった





賢さんに言われたように
何もかも捨ててついて
行くのが


本当の愛…



それが出来たら
どんなに
気が晴れるだろう



でも
可愛い我が子(犬たち)は…?
自分以外に守る相手が居ない。





それに
私には
お腹に爆弾を抱えて
いつ入院になるか
いつ仕事が出来ない体になるか
わからない…



今ですら
トイレに行く回数が
人より遥かに多い…


知らない土地で
これ以上ストレスかかる
環境で
一人では



やっていく自信がなかった。。






今の彼には
私は重荷にしか
過ぎないんだ ……




考えれば考えるほど
涙が溢れてきた




お互い気持ちは
変わってないのに ……


もらった時計を握りしめながら…涙が止まらなかった




神様が本当にいるなら
どうして

私達二人ばかり
なんでこんなにも
離そうとするの?



試練ばかり…





泣き明かして


何もかわらなかった





その数日後
婚約者だった彼は茨城へ帰った






まだ
悪夢は続いた







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