
トライデント
第2章 不安定な神話
「アテナ様、お目覚めをお待ちしておりました。」
イオ「え、あの、あたし違うよ?」
ペガサス「…、」
元老院が説明を始める。
「この神殿が作られ、孤児院から連れてこられた皆は神を目指し修行しておりました。しかし、孤児院の中に目を覚まさない者が一人いました。中にはショックで死んでしまったのかというものもおりましたが、眠るあなたの光に皆が注目しました。そのときゼウス様がおっしゃられたのです。神に選ばれる素質がある、その子こそがアテナになる人物だと。しかしあなたは普通の女の子でした。神の覚醒にはあまりに及ばない力だったのです。」
イオ「そりゃそうよ。勉強も真面目にしなかったし、孤児院なんて何回も抜け出してたしね。なぜあたしが選ばれたの?」
「これも、サダメなのかもしれません。あなたには不思議な力があるのです。まだあなた自身お気づきでないが。」
イオ「いや!!絶対神になんてならないから!!教皇の側近なんて絶対いやよ!!」
イオは現実が受け止めきれず、その場所から走り去った。
