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ルーレット「00」

第7章 成就

「リッちゃんを9年間も好きでいる俺は…やっと手に入れたのに、怖くてこれ以上進めない。」



両想いがこんなに怖いものだと思わなかった。

押し付けるだけ押し付けて来たのに、自分に向く気持ちが『もし離れたら』って思うと、怖くてたまらない。


リッちゃんの事を考えると、急に不安になる。


自分の気持ちだけの『片想い』が長過ぎて、同性と言う未来の保証がない関係も重なって…涙が流れた。


好き過ぎて泣くとか…
未来を不安に思って泣くとか…

あり得ない。


かっこ悪過ぎだろ…俺。



「直兄…。」


「俺から…離れないで。」



懇願していた。
情けなくも、リッちゃんにすがるしか無い。

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