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ルーレット「00」

第3章 片思い

直兄の為じゃない。



オレが
直兄に…



愛されたかったからだ。



「違う!!」



遅れてオレがそう言うと、直兄は鼻で笑いながらシャワーを出した。


いつもの様に、丁寧にオレを洗う直兄に…それ以上なんて言えば伝わるのかわからずに、涙が込み上げた。



『キュッ』



シャワーを止める音がバスルームに響くと、その後は、オレの嗚咽混じりの泣き声だけが響いていた。

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