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ルーレット「00」

第6章 独立

『…何かあったの?』



「何も…無いんです。ただ…オレも受験生だし、直兄もオレに時間合わせるのも大変そうだから。」



『そう…?じゃぁ隣の涼子の部屋使ったら?元々リッちゃんの部屋にしようとしてたんだから、ね?』



「はい、ありがとうございます。早速涼子姉ちゃんに連絡します。」



『そうね、じゃぁまた電話するわね?』



そう言って電話を切った。

何もない、で納得するはずは無い。
でも、それ以上詮索はされないのは、俺が…居にくくならないように…だと思う。

そう言う優しさが…大好きだから、悲しませたくない。複雑な気分になるんだ。


直兄の留守中に勝手な事をして悪いけど、へたれなオレはこんなやり方しか出来ない。


直兄が帰ってこないんじゃなくて、オレが1人部屋に移ったんだ。
そう思えば寂しくない。

そう思えば…。

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