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ルーレット「00」

第6章 独立

それでも何も言わないリッちゃんの股間の絆創膏に手を伸ばし、痛くない様にとそーっと剥がすと、さほど深くはないだろう切り傷があった。

それでも傷口はぱっくりと切れていて、血がにじみ出るから痛々しい。



「いつ切ったの?」



この傷が…愛おしく感じる。

本人は痛いだろうけど、リッちゃんが俺を好きだという証の様なものだ。

『愛して欲しい』その証拠。



「リッちゃん、答えて。…これ、昨日切ったの?」


「うっ…ん、うん。」


「りっちゃん…。」



俺はリッちゃんを、強く抱きしめた。
強く抱きしめて、俺の体の一部にしたいくらいだ。

辻褄が合う。
昨日の夜、リッちゃんが言った言葉は、俺に『切れ』って言われて試したものの、思い切れなくて…諦めようとしたんだろう。

バカなリッちゃんが、この上なく愛らしくて…
たまらなく俺のにしたいよ。

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