君と×××。
第1章 x兄と私x
「お前…何見て……っ!」
「おっ…お兄ちゃんこそっ!」
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沈黙。
喋る言葉が見つからない。
兄も同様、
口をきゅっと噤んで頬を染めている。
「未月、母さん達には黙っててくれるか?」
「…うん、私も嫌だよ。
お母さん達にこんなこと知られるのは」
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さらに長い沈黙が流れた。
「そっそうだお兄ちゃん学校!
遅刻しちゃうよ!」
「おっおおう!」
2人でバタバタと支度を済ませ、
朝食をしっかり取ってから家を出た。
時刻は8時過ぎ。
ぎりぎり間に合うか分からない境界線。
とにかく急いだ。