テキストサイズ

叫べ

第5章 疑





「はあ…」




行けども行けども一面の桔梗は見あたらず
、僕たちの歩くペースは落ちていった。




次第に彼女の表情が曇っていく。




よく考えたら、なんのヒントもなくこんな山の中に入るなんて無謀だよな…




もしかしたら彼女もそう思ってるかもしれない…




「…あのさ…」




僕が声をかけると、彼女は足を止めた。




「やっぱり闇雲に探すのは危ないし、どこかで調べてからにしない?」




「……」




「この先に集落があるみたいだし、そこで誰かに聞いてみようよ」




僕がそう言うと、彼女はニコッと微笑んだ。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ