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叫べ

第5章 疑



「あんた、怪我は!?」




「えっ…ないですけど」




僕がそう言うと、男性はハアッと息を吐いた。




「一体なんですか?」




僕が聞き返すと、男性はハッという表情をした。




「あんた、連れの女の子はどうした!?」




「え…」




「バスに乗ってた女の子だよ!! 一緒に居なかったのか!?」




「さっき…一緒に山に入って…」




僕はだんだん嫌な予感がした。




「…途中で僕だけ帰ってきました…」




「なんだって!? なんで女の子を一人にしたんだ!! さっきバスの周辺で熊が出たんだよ!! あんたらがバスから降りて歩いて行ったっていうのを運転手から聞いて、慌てて探しにきたんだよ!!」









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