
幼なじみ
第3章 過ち
勢いよく酒を流し込む翔の姿を見て、俺は呆れる気持ちを隠し切れずにため息を漏らした。
「っぷはぁ!うめえ!これが大人の味ってやつか…真尋も飲むかあ?」
「いらない」
へらへらしながら、まるでおっさんのように酒を勧めてくる翔に腹が立つ。
酒の力を借りて、日比木と喧嘩をしたという事実から逃れようとする情けない翔の姿なんか、見たくない。
翔に背を向け、携帯を弄っていると、首元にするりと翔の細い腕が巻き付いて来た。
「っ…なんだよ」
「…冷たくすんなよお」
弱々しく、まるで傷付いたような小さな声で翔は言う。
俺の肩に顔を埋める翔のサラサラな髪が、俺の首をかすめてくすぐったい。
