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幼なじみ

第3章 過ち





「っは…はぁっ…なに、すんだ、よっ…!」



 口元を服の袖で拭い、息も絶え絶えになりながら俺は翔を睨み付ける。


翔のぱっちり二重の瞳は、心なしか少しうるうると涙目になっており、眠そうに目をとろんとさせている。


顔は火照っているのか、朱色に染まっていた。


…こいつ、もしかして酔ってるんじゃ……?



「真尋は可愛いなあ…」



翔は柔らかく微笑みながら、ゆらりゆらりと危なっかしい足取りで俺に近付いてくる。


後退りするも、狭い俺の部屋だからすぐに壁へ追い詰められてしまった。



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