
幼なじみ
第3章 過ち
翔の細く、長い指が俺の頬にそっと触れる。
翔は俺の頬を撫でながら、ゆっくり顔を近付けると、ちゅっとリップ音を鳴らし耳にキスを落とした。
「っ…翔、だめだ。男同士で、こんなのおかしい…!もう、やめよう……」
これ以上の行為をしてしまうと、俺たちの"幼なじみ"という関係が壊れてしまいそうで不安になる。
俺の頬を撫でる翔の手首を掴み、俺より少し身長の高い翔を見上げて言う。
翔は俺の顔を覗き込み、目を細めて小さくクスッと笑った。
「…真尋、そんな期待に満ちあふれた表情して言っても、説得力ないよ?」
「――ひゃっ!?」
翔は悪戯っぽく笑いながらそう言うと、俺の耳をぺろんと舐め上げた。
思わず女みたいな声を出してしまったことが恥ずかしい。
