
Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第7章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
なのに、有喜菜といえば極めて健康そのもので、食欲は紗英子のゆうに三倍はある。
「そう? 前も言ったでしょ。食べられるときに食べる主義だって」
「もちろんそれは良いことだと思うけれど、これからはもっと健康面や安全面でも慎重になっても良いんじゃないかしら? 妊娠中はカロリーの過剰摂取は禁物らしいわよ? 初期はともかく中期以降は妊中毒症を起こすし、そうなったら、お腹の赤ちゃんにも色々と良くないの。後は走ったりとか、ましてや階段の二段飛ばしなんて良くないわ。転んだら流産や早産の原因になりかねない。今、有喜菜が履いているパンプスも、ヒールが高すぎ。妊娠中は安全なローヒールをはかなきゃ」
「紗英。忠告はありがたく聞くけど、これだけは言っておきたいの。私はあなたたちの子どもを生むという仕事を引き受けた。極力気をつけて無事に元気な赤ちゃんをあなたに手渡せるようにはする。でも、だからといって、別に妊娠期間中の私の生活すべてをあなたが管理して良いわけじゃない。私だって、逐一、あなたの干渉を受けるのはいやだわ」
私の務めは元気な赤ちゃんを生むことであって、それは私自身が気をつければ良いんだし、あなたが私の私生活にまで入り込んできて良いということにはならないのよ。
どこか苛立ったような言い方は有喜菜らしくない。
「そう? 前も言ったでしょ。食べられるときに食べる主義だって」
「もちろんそれは良いことだと思うけれど、これからはもっと健康面や安全面でも慎重になっても良いんじゃないかしら? 妊娠中はカロリーの過剰摂取は禁物らしいわよ? 初期はともかく中期以降は妊中毒症を起こすし、そうなったら、お腹の赤ちゃんにも色々と良くないの。後は走ったりとか、ましてや階段の二段飛ばしなんて良くないわ。転んだら流産や早産の原因になりかねない。今、有喜菜が履いているパンプスも、ヒールが高すぎ。妊娠中は安全なローヒールをはかなきゃ」
「紗英。忠告はありがたく聞くけど、これだけは言っておきたいの。私はあなたたちの子どもを生むという仕事を引き受けた。極力気をつけて無事に元気な赤ちゃんをあなたに手渡せるようにはする。でも、だからといって、別に妊娠期間中の私の生活すべてをあなたが管理して良いわけじゃない。私だって、逐一、あなたの干渉を受けるのはいやだわ」
私の務めは元気な赤ちゃんを生むことであって、それは私自身が気をつければ良いんだし、あなたが私の私生活にまで入り込んできて良いということにはならないのよ。
どこか苛立ったような言い方は有喜菜らしくない。
