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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦

 そのときはまさか顔を見るなり帰るわけにもいかず、二時間くらいは渋々付き合ってやった。それに味をしめたのか、満奈美は断れども断れども大胆なアプローチをかけてくる。
 すっかり辟易している直輝に同期の同僚などは
―何だ何だ、据え膳食わぬは男の恥だぞ? あの小西って子、名前だけでなく本当に女優の小西真奈美に似てるだろ。顔も身体も良さそうだし、この際、お前も少しは愉しんだらどうだ? 全っく、お前が羨ましいよ。同じ歳の男なのに、どうして俺は全然女が寄ってこなくて、お前には群がるんだ?
 などとかえって羨ましがられ、けしかけられる始末だった。
「ねえ、課長、また今度、一緒に飲みましょうよ」
 しなだれかかるような声音に総毛立ち、直輝はピシャリと内線を外線に切り替えた。

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