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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第9章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦

「別に恥ずかしがる必要はないだろ。男が感じれば興奮するように、女だって興奮するのは当たり前だよ」
 直輝が乳房を下から両手で掬うように持ち上げる。大きな手のひらが零れんばかりの乳房を包み込み、ゆっくりと揉んだ。
 彼の手は悪戯で、乳房の形が変わるほど揉んだり、先端を指で弾いたりする。かと思えば、乳暈の縁を円を描くように撫で、乳暈ごと先端をキュッと押したりした。
 その度に、有喜菜の身体はピクリと反応し、直輝はそんな彼女を眼を細めて眺めている。
「有喜菜は感じやすい身体をしてるのかな」
 愉しむように言うと、ベッドの枕許のナイトテーブルを見つめた。
「ちょっと待って」
「え、なに?」
 有喜菜が小首を傾げるのに、直輝はナイトテーブルから筆のようなものを持ってきた。
「何だか面白いものがあったから、持ってきたよ」
「それって、筆なの?」
 眼を見開くと、直輝は〝そう〟と頷く。

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