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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第9章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦

 めぐる想いに応えはない。
 ただ、これだけは一つ確かに言えることがあった。直輝の言うように、やはり間違いに気づいたならば、気づかないふりをしてそのまま同じ道を進むのではなく、勇気を出して振り出しに戻ってやり直すべきだ。
 それが、これ以上の不幸を重ねないための、せめてもの生きてゆくすべだろう。
 自分と直輝にも、そして、紗英子にも。
 この先、何が待ち受けているかは判らない。でも、とりあえず今の自分の役目は紗英子の子どもを生むこと。

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