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第31章 万年筆


白い紙には
遺言書と書いてあった。

紙を開いてみた。




『最愛なる我が家族へ


最初に言っておく。

わしはただ
ばあさんの笑顔が
見たくなっただけじゃ!


だからばあさんの
元にそろそろ行く。

ばあさん元気かのう。



わしの人生
ちょうハッピーじゃったぞ!


馬鹿な息子がいて、
そんな息子に可愛い
お嫁さんができて。

そして、

大好きな大好きな
孫がいる。


誰よりも
じいさんは幸せもんじゃ!


直紀よ。

お前は先生に向いている!

なんせわしの
孫じゃ。

自信を持って
強く逞しく生きろ!

わしがばあさんに
先生になって初めての
誕生日プレゼントで
貰った万年筆をお前さんにやる。

わしの思い出が沢山
詰まっておる!

これからはお前が
その万年筆に思い出を
詰めていっておくれ。


大事にするのじゃぞ。



大切な家族よ、元気に
育ちなさい。


若山泰宏 』


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