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理想の男の子

第15章 次の季節

「ねぇねぇ」

私は手をまさきの顔の前で振りながらそう話しかけた

「なに?」

まさきはちょっとぶっきらぼうに返事をした

「さっきね、知らない男の人に話しかけられてね。お話しようって言われて喫茶店行ったんだけど…」

淡々と話す私の手首をまさきは掴むと口を開いた






「……それ本当…?」

「えっ、うっうん…」

冷たい返事に私は戸惑いながらも言った

「何で知らない人と話なんかしたの…?」

ギュッと手首を掴む力が強くなった

「いっ…痛いよ、まさき…!」

「ご、ごめん…」

慌てて手首から手を離した

「何でって…お話ぐらい良いかなって思って…」

モゴモゴとそう言う私をまさきは少し睨んだ







ビクッと体が強ばる




「怖い人だったらどうするの?まい」

少し間を置いてから睨みながらまさきは言った

「ごめんなさい…」

シュンとしながら謝る私を見て

まさきはピクッと眉を動かした




「…俺は怒ってんだよ?まい」


まさきが怒ってる…

怖いの一言で片付けられるくらい怖かった




…なんでだろう

まさきがすごい危ない人に見える…

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